~動物愛護先進国を訪れて~
今からだいぶ前になりますが、2014年にイギリスへ、
2015年はアメリカ サンフランシスコへ訪れました。
各地のトレーナーとの交流、クラスの視察や新しいトレーニングの勉強、そして、人々と犬たちの実際の暮らしを肌で感じる目的の旅です。
動物愛護先進国といわれるような国々の良さを参考にしつつ、日本独自の犬の文化を確立していけることが一番だと願っています。
私が訪れ勉強したいくつかの国では、犬を迎えるところからの考え方が、日本とはちょっと違っている印象でした。
そういった国々の多くでは、‟生活スタイルに合った犬(犬種や特性)を選ぶ”という考え方が自然だったように思います。
イギリスでは、雑種よりもsingle breed(純血種)の犬たちが多い印象でした。犬種の保存ということにも重きが置かれています。
確かに適当なブリーディング(繁殖)をすれば、犬種のスタンダードも気質も疾患も手には負えなくなり、やがて、純血種の良さを未来に引き継ぐことが難しくなります。
さて、イギリスもやはり、生活スタイルに合わせて犬種を選ぶご家族が多く、犬種についてお勉強をされてから迎える方が多い印象でした。もちろん、100%ではないのですが。
パピーを迎えたらすぐにクラスを受ける、そんな文化が根付いているようでした。それが、教育の始まりであり、家族と社会へ問題なく出ていくための第一歩になっているのです。
最近は日本でも、子犬を迎えたら「社会化!」「パピーパーティ」や「パピークラス」に通う、ということがメジャーになってきましたが、トレーナーの質もピンキリなのと、獣医さんも社会化についてのお勉強が足りていない方がまだまだ多いために、いまだに社会化不足が原因と思われる犬たちがあふれています。
また、「間違った社会化」や「極端な社会」の犠牲になる犬たちも多く存在しているのが事実です。
海外の多くの小学校では、子供たちに向けて、犬との関わり方や挨拶の仕方などを先生が普通に話するのです。
日本の学校でそんな話をするところは、どのくらいあるでしょうか・・・
アメリカSFではSPCA(大型動物保護施設)にも訪問しました。
保護施設にいる犬たちの中から、その犬のバックグラウンド(どういった経験をしていて、なぜ保護施設にいるのか)や性格などをみて、ご家族との相性や生活スタイルを考え、選び、迎えるというスタイルが多いのが印象的でした。
イギリスとは違って保護施設内も街も雑種の犬たちが多かったです。
このトレーニング部門へも勉強しに行きましたが、保護施設から迎えたら飼い主は保護施設のトレーニングクラスを受けます。
犬を迎えたらトレーニングを受ける、それは、犬だけに受けさせるのではなく、人間が犬と幸せに生活していくために一緒にトレーニングを受けるイメージです。人間側が犬と正しく関わるため(人と生活できるように正しく育てる)には勉強が必要不可欠だからです。
それが日本でも当たり前になることが理想的であると考えます。
日本はまだまだ問題が出てから、犬を直すためにトレーニングを依頼するスタイルのほうが多いのが事実です。
また、預けて治してもらおうスタイルも…。
家族が責任を持って犬を理解し、導く必要があるのに。
病気になってから病気だけ直す、その原因、健康や生活の仕方は気を付けないのと同じです。そうすると、また病気になります。
そもそも、どういった場所から、どんな犬を迎えるか、を選択するための情報や知識を得る場所も少ないように思いますし、犬を迎える際、また、迎えてすぐに、どういったことが最初に必要なのかを教えるべき立場の人も、提供する情報が少なく根拠のない情報にあふれているように思います。
日本でも、社会化やトレーニングが重要だと考える獣医さんが増えてきましたし、パピーパーティや犬のようちえんなどの施設も増えてきましたが、適切な説明ができて、適切な社会化やレッスンがされているところは、正直まだ一握りだと感じます。
また、遺伝病も後を絶ちません。
不適切なブリーディングや、心身ともに不健康な親犬から生まれた犬を売っているペットショップも日本は多く存在します。
そんな中で、正しい情報を得るための勉強をきちんとすることや、ご家族に合った犬種、トレーニングスタイルを考えることはとても重要だと考えています。
それぞれの国に時代的背景や法律改正の過程、課題など様々ありますが、諸外国が自国の反省点を活かして作り上げてきた文化をありがたい情報として、適切に取り入れられれば良いのではないかなと思います。
日本特有の問題や文化もあるのでそっくりそのまま真似をするのではなく日本のスタイルに…。
正しい情報をお伝えしていけるように業界全体が底上げしていくように、私たち専門家は勉強を続け、それを形にし続けなければと思っています。
相手がどんな専門家であろうと疑問に思ったら必ず質問する、それについて勉強する、など、犬と暮らすご家族が主体的に取り組むことで、専門家のレベルが上がるのも事実です。
そして、犬と生活していない方々にも、犬がいてもまぁいっか、と社会に自然と受け入れてもらえるように、私たちがマナー良く感じ良くいることが理想だと考えています。
犬たちに優しい社会を作れるのは犬と暮らす私たちです。
ご愛犬とご家族の生活がより素敵になるように、犬たちに優しい社会になるように、お手伝いできましたら幸いです。
Dogtraining FifyMimyししど
About FifyMimy
ドッグトレーニング フィフィーミミー
~犬の気持ちがわかる家族になるためのトレーニング~
【Mizuki Shishido(ししど みずき)】
・CPDT-KA(米国認定ドッグトレーニングインストラクター)
・ペット栄養管理士
・ペット食育士1級
・DDCTS(ドッグデンタルケアトレーニングソサイエティ)メンバー
・犬の複合施設WANCOTT立ち上げメンバー
・JKC愛犬飼育管理士
・CAAWT(Constructional Approach to Animal Welfare and Training)メンバー
~犬の気持ちがわかる家族になるためのトレーニング~
をベースに、応用行動分析学に基づき、
Welfare(福祉・愛護)
Well-Being(幸福で身体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態)
Wellness(心身ともにQOLが高い状態)
といった犬と人、お互いの心身の健康を大切にし、
『ただ言うことを聞く犬』ではなく『コミュニケーションがとれる良きパートナー』を目指して、
❝暮らし方❞、❝絆の育み方❞ を提案しています。
愛犬と丁寧に関わること、そして、お互いに癒し癒され、
楽しく幸せに暮らせることを目標に活動しています。
<経歴>
・首都圏の数か所の犬のようちえんにて勤務
・各種イベントなどにてセミナーやグループレッスンなどを担当
・企業様向け犬用商材のアドバイス
・ペット情報サイトにてコラムの執筆
・学校法人 麻布獣医学園
獣医学部動物応用科学科伴侶動物学研究室 非常勤講師
・イギリス各地域のトレーナーとの交流
・アメリカSF SPCAにてトレーニングクラス視察
・犬と人のための大型複合施設WANCOTT立ち上げアドバイザー
・同施設立ち上げメンバー、並びにトレーニングマネージャー、
アクティングゼネラルマネージャーとして従事
第一種動物取扱業
事業所名称:Dogtraining FifyMimy
動物取扱責任者:宍戸 瑞貴
事業所:横浜市都筑区北山田2⁻2⁻27
登録番号:83⁻0280(訓練)/83⁻0279(保管)
登録年月日:令和5年5月8日
※メインエリアを横浜に移動のため再取得
有効期限:令和10年5月7日